20年前、深夜の日テレ系列のドキュメンタリー番組を偶然見た。
珠洲市の反原発の中心人物、北野進氏の特集だった。
その番組で、北野進氏家族が原発賛成派から数々の嫌がらせを受けた話が放送された。
「朝起きると、猫の首がチョン切られて玄関先に置いてあった」等々。
約10年前、当時の珠洲市中央図書館で寺家の人が書いた「こだま」という手記を読んだ。
「平成の始め、原発運動華やかなりし頃、突然、原発反対派が集団で家に押しかけて来て、大きな声で、脅迫めいた言動を繰り返した。
帰った後も恐怖心から動けず震えが止まらず、病院や警察に行こうかと思ったが、
とりあえず、証拠を残す為、ラジカセと録音テープを用意した。けれど、それ以降は来なかった」と書いてある。
どっちもどっちである。
「賛成派」も「反対派」も似たようなことをしていた。
人間は、特に「日本人」は集団になると恐ろしい。
今は「コロナの時代」であり、日々感染状況は悪化し、結果として2年連続キリコ巡行中止になっている。
当然、意見が分かれる。
昨年、下出組はお披露目という大義名分で下出地区を巡った。
反対意見もあった。
区長も反対であった。
だが、「出すか出さないか」という下出地区の寄合では、「キリコを出したい」という意見が多数であった。
そもそもコロナ禍、寄合に人が集まらなかった(来なかった人は巡行反対の立場ではないだろうか)。
集まっても、「空気」に呑まれて本音を言えなかった者も居ただろう。
ということは、他の地区が巡行中止を決める中、下出住民のみが諸手を挙げて「お披露目巡行大賛成」ではなかっただろうと推察される。
筆者も巡行反対であった。
「お披露目なら、ダヨモンに数時間展示すれば充分ではないか。巡行する必要はない」
寄合後、そしてお披露目前日、「協力的でなかった」ことで大反発を喰らった。
「取締役を辞めて欲しい」
「2、3発殴ってやりたい」
「殺す」という単語も出て来た。
そして、『はばしいこと(寺家だより、歴史調査等)も止めてしまえ』と散々な言われようであった。
怒号飛び交う、正にチンピラ同士の会話であった。
結果として、「感染者」も「怪我人」も「犯罪者」も「死者」も出なかったが、
これが祭りだろうか?
その一週間後、現場のちょうど横に長年建っている大燈籠の擬宝珠が地震で落ちた。
寺家に他に大きな被害はなかったにも拘わらず、ピンポイントで、それだけが落ちた。
神様も呆れ果てているのだろう。
繰り返すが、どっちかが「正義」で、どっちかが「悪」ではない。どちらも「正しく」、どちらも「正しくない」。
が、「反対者を排除する」のは、祭りに限らず、選挙においても間違っている。
来月、3月13日、県知事選挙投開票。
5月22日、珠洲市長選挙投開票。
Comments